ピーダ・イルステズとは
ピーダ・イルステズ「自画像」 1898年
ピーダ・イルステズ(Peter Ilsted、ペーダないしはピーター・イルステッドという読み方もあります)とは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてデンマークで活躍した、ハンマースホイと同時代の画家の一人です。
イルステズは、1861年にデンマークのグルボソン市にある小さな町で生まれ、1933年にコペンハーゲンで亡くなります。
ハンマースホイとはコペンハーゲン王立美術アカデミーで出会い、交友関係を築きます。そして、1891年、イルステズの妹のイーダ・イルステズがハンマースホイと結婚。ピーダ・イルステズはハンマースホイの義理の兄になります。
作品は、ハンマースホイや、妹イーダの肖像の他、室内画も多く手がけます。
妹とハンマースホイが結婚し、1900年頃からは徐々にハンマースホイの影響も色濃く作風に反映されるようになりますが、ハンマースホイよりもイルステズの絵のほうが光に温もりを感じさせ、より優しい雰囲気を纏っています。
ピーダ・イルステズ「The Dining Room」 1887年頃
ピーダ・イルステズ「Young Girl Preparing Chantarelles」 1892年
ピーダ・イルステズ「Interior with two girls」 1900年頃
ピーダ・イルステズ「Woman reading」 1907年
ピーダ・イルステズ「The Open Door」 1910年頃
ピーダ・イルステズ「Interior With Girl Reading」 1910年頃
作品には座っている女性や椅子も多く、四人の子宝に恵まれたこともあり、イルステズの絵には子供がよく描かれている点もハンマースホイとの違いと言えるでしょう。
当時のデンマーク国内では、イルステズの絵は明快な表現で親しみやすい主題でもあったため、ハンマースホイよりも高く評価されていました。