ハンマースホイの図録と画集
『ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情』展覧会図録
ヴィルヘルム・ハンマースホイ(ハマスホイ)の画集のうち、日本語で出版されているのはこれまでこの一冊だけでした。
画集と言っても、これはハンマースホイの作品をランダムに集めたものではなく、2008年に、上野の国立西洋美術館で開催された展覧会「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」の図録です。
この2008年の展覧会は、研究者の佐藤直樹氏と、ハンブルク展(2003年)を組織したフェレックス・クレマー氏の共同企画で、ハンマースホイの作品が約90点。また、同時代に活躍したデンマーク画家ピーダ・イルステズとカール・ホルスーウの作品18点も加わった、大規模な回顧展です。
僕は、この展覧会で初めてハンマースホイの存在を知ったのですが、会場を出たあと迷うことなく図録を購入しました。

図録のページをめくるたびに、時計の針が止まったような深い静寂の世界に招かれるようです。
紙質や装丁もよく、数多くのハンマースホイの絵画作品はもちろんのこと、ほとんど情報のなかった画家ハンマースホイの伝記的な情報も詳細に記されているので、より深く彼のことを知るためにおすすめの一冊です。
その他、画集の比較
東京の上野で、2020年に開催されるハンマースホイの展覧会「ハマスホイとデンマーク絵画展」に合わせ、図録以外で初の画集が二冊出版されます。
一冊が、2008年の展覧会の共同企画者でもある佐藤直樹さん監修の『ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の絵画』です。
もう一冊が、2020年の「ハマスホイとデンマーク絵画展」を担当した、山口県立美術館学芸員の萬屋健司さんの『ヴィルヘルム・ハマスホイ 静寂の詩人』です。
また、2020年開催の「ハマスホイとデンマーク絵画」展の公式図録は、ネット通販(MARUYODO)でも購入が可能となっています。
上記の画集2冊と、「ハマスホイとデンマーク絵画」展の図録、それぞれ購入しました。

同時期に、これだけ出ると、どの本がいいのか悩むかもしれません。ただ、単純に色々な絵を知りたい場合は、基本的に、どれか1冊あれば十分だと思います。
以下、簡単な比較です。
タイトル | ヴィルヘルム・ハマスホイ 静寂の詩人 | 「ハマスホイとデンマーク絵画」展の図録 | ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の絵画 |
作者 | 萬屋 健司 | − | 佐藤直樹 |
サイズ | 25.6 x 18.6mm | 321×231mm | 21.9 x 16.8mm |
ハンマースホイ(ハマスホイ)の作品数 | 86作品 | 36作品(他デンマーク絵画多数) | 54作品 |
値段 | 2300円 | 2500円 | 2000円 |
今後、ハンマースホイ(ハマスホイ)の日本での認知度の高まりとともに、画集や関連書籍も増えていくかもしれません。