Vilhelm Hammershøi
ヴィルヘルム・ハンマースホイの世界
作品解説

若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ|作品解説

若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ

ヴィルヘルム・ハンマースホイ「若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ」 1885年

ヴィルヘルム・ハンマースホイ(ハマスホイ)が21歳の頃に初めて公に発表した「デビュー作」。当時19歳だった妹の肖像画を描いたこの作品は、1885年の春、コペンハーゲン王立美術アカデミー主催の賞に応募するも落選します。

批評家の一部や若手の画学生からは賞賛されたものの、アカデミーの教授や多くの観衆は批判的に捉え、激しい論争となりました。批判の理由は、仄暗い色調や危うさのある薄ぼけた空気感、モデルのうつろな視線などが、王道の「美」からは遠く離れた作風だったことに由来したと見られています。

その少し前に、フランスでは印象派の絵画が批判や嫌悪の対象となりましたが、デンマークの伝統的な芸術観の人々にも、ハンマースホイの絵は同じような抵抗感を抱かせたのかもしれません。

ハンマースホイと言うと「空っぽ」の室内画が代表作として語られることも多く、生前も「室内画の画家」として知られていましたが、1880年代から90年代半ば頃までは、むしろ建築画や人物画のほうが多く描かれました。

ただし、彼の陰鬱な画風そのものは批判を受けたデビュー作以来、生涯一貫して変わることはありませんでした。

 

■作品名 : 若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ ■制作年 : 1885年 ■技法 : 油彩、カンヴァス ■サイズ : 112×91.5 ■所蔵 : コペンハーゲン、ヒアシュプロング美術館